課税事業者の事務所のケース

　課税事業者の行政書士の先生の事務所は、まず「適格請求書発行事業者の登録申請書」の申請が必要になります。たまに「うちの事務所は、課税事業者だからインボイス制度については特に何もしなくていいよね」と言われる方がいますが、「適格請求書発行事業者」の登録申請をしなければ、いわゆる「適格請求書」を発行できないので、インボイス制度が始まると、得意先の企業の経理から「これは適格請求書ではないですよ」と問い合わせが来ることになります。

【必要な手続き】

「適格請求書発行事業者の登録申請書」を郵送かインターネットで提出する必要があります。郵送の場合は、所轄税務署ではなく、行政書士の先生方の納税地を管轄する「インボイス登録センター」宛に送ります。尚、青色承認申請書のように所轄税務署の窓口へ持参しての提出はできませんのでご注意ください。
　登録申請を行うと、暫くして先生の事務所に「通知書」が届きます。その「通知書」には「通知番号」と呼ばれるT＋１３桁の数字が記載されています。この番号がとても大事なものになります。（郵送提出の場合は郵送で通知書が届きますが、インターネットで申し込みをした場合はネットで確認か郵送を選択することができます）。この通知書は、現在であれば郵送で1ヶ月、ネットで2週間で受けることができますが、令和5年10月1日の制度開始へ向けてインボイス登録センターも混雑が予想されます。既に課税事業者の先生方は、早めに手続きを済ませるようにしましょう。

【提出期限】

原則として令和５年３月３１日までに提出する必要があります。令和５年10月1日から制度がはじまるので、９月３０日までに提出すればよいわけではありません。３月３１日までに提出できない困難な事情がある場合には９月３０日までの提出でもOKとされていました。
（令和５年度税制改正大綱で令和５年３月３１日の提出期限が延長になるとの話があります。ただ、インボイス登録センターの今後の混雑を考えると、課税事業者の先生は早めに提出されることをおすすめします。）